コガタスズメバチの巣

小さな谷間の畑の土手を歩いていてオオカマキリの卵嚢(らんのう)を見つけた。
さっそく持ち帰って庭の金木犀の木に縛り付ける。

初夏には数えきれないほどのカマキリの子どもが生まれるだろう、楽しみだ。

この作業を終えてふと見上げた木の上に珍しい蜂の巣を見つける。
拳大の巣だ。こんな巣を見るのは初めてのことだったので形状からトックリバチの巣だと思った。

巣は泥ではなく木の繊維で出来ているようだ。ネットで検索してみるとこれはトックリバチの巣ではなく、コガタスズメバチの初期段階の巣のようだ。

本来なら女王蜂一匹で作り始める巣に働き蜂が生まれ、その数を増やすに従って巣は段々と大きくなっていくが、どうもこの巣は何らかの事情で大きくなる前に放棄されたようだ。
早くに気付いていたなら巣作りの様子が見られたのに。

3年ほど前、アシナガバチの巣作りをほぼ1ヶ月間にわたって観察したことがある。

PUKUさんとの散歩の折いつものコースから外れたご近所の石垣で見つけたのだ。
巣は大きな石積みの間に雨を避けるように作られており、人にも見えにくい位置だった。
それに比較的車も人通りも少ない道端だったので三脚を据えて撮る事が出来た。

巣の変化していく様子を見るのが楽しみだった。
蜂の数が増え巣が大きくなっていくと早晩駆除されるだろうと思っていた。
自宅の庭さきだったらカミサンを説得してでも駆除せずに観察を続けられただろうが、この巣は予感どおり23日目の朝見に行った時には全く姿を消していた。

コガタスズメバチの巣作りやそれからこの夏に見たスズバチの巣作りをもう一度見てみたい。
明日はコガタスズメバチの巣を木の上から切りとって巣の中を覗いてみよう。
それからもう一つ、スズバチのあの泥の巣の一室を解体してみるか。