奇妙な既視感

「森と氷河と鯨」(星野道夫著・世界文化社)を読みながら、この本を手にするのは初めてなのに妙な既視感を感じている。
ハイダ族出身のボブと著者がクイーンシャロット島に来て、無人の浜辺に今なお立ち続けている、風化したトーテムポールを見て歩くシーンなどは、最初の一行を読んだだけでその情景が鮮やかに浮かび上がってくる。こんなことが幾つものページのシーンである。

リンギット族の老人から、ワタリガラスとクジラの神話を聞いているシーンでも、クジラの鳴き声が聞こえ、島の入江にいるザトウクジラを見ている。
(クジラの鳴き声をgoogleで検索して聴いてみた、ザトウクジラの会話には驚く。)

過去に読んだり見たりしたアラスカの写真やイヌイットのこと、シャチやクジラの事など、いろんなモノが記憶の中で混ざり合ってこの既視感を創り上げているのだと思うが、それにしても妙に鮮明なのだ。

今日は夢中で「森と氷河と鯨」を読んでいる。


明日から孫たちと小旅行、帰ってから既視感(デジャブ)のことを調べてみなくては。

読書の合間の虫撮り