2隻のゴムボートとキャンピングカー

一昨日書棚の奥から引っ張り出していた「ソロモンの指環」コンラート・ローレンツ著 日高敏隆訳 早川書房 の目的の箇所 コクマルガラスの生態が記述された第5章「永遠にかわらぬ友」を読み終えた午後、気分転換にと鳥撮りのフィールドへ行く。今日も鳥たちの姿は無かった。「空に飛ぶ鳥なく、地には走る獣なし」法顕伝の一節が思わず口から出るほどの野面だった。ここでの鳥撮りを諦め和邇川河口の様子を見に行く。

河口にも鳥の姿は無かったが、船外機をつけた2隻のゴムボートが渚に引き上げられているのを見つけ車を降りた。車載温度計は11度だったが北からの風が吹き付ける所為で体感温度はかなり低い。ゴムボートの主が動き出すのを待とうと車に帰りコーヒータイムだ。

暫くしてから動きがあった。釣りに出るところを期待していたがボートの収納を始めた。

二人のアングラーに今日はどんな成果があったのだろうか。比良颪の冷たい風の吹く中沖に出ているのだ、ヒットした感触を楽しめただろうか。

二人のアングラーの車から少し離れたところにキャンピングカーがいた。

もう20年近くも前だが、レモンの花の咲く頃だった、カミサンとしまなみ海道をドライブしたことがある。その時、大三島大山祇神社の境内で軽トラを改造したキャンピングカーに出会った。ドライバーは初老の人、軽トラのキャンピングカーが珍しかったので声を掛けた。リタイアしてからボケ防止にと好きな旅をしているという。誰にも拘束されることのないマイカーで、すきな時期に好きな所へ。話好きな方だった。これまでに北海道と東北地方は走破。問わず語りにいろんなことを話してくれた。今回はのんびりと四国一周だという。カミサンが行きましょうよと突っいてこなければ時間を忘れて聞いていただろう。

キャンピングカーを見ながら、カミサンとのしまなみ海道ドライブのことを思い返していた。