小さな命の終わり

車のトランクから買い物の荷物を取り出し、17段ほどの階段を玄関先まで運び上げる。3・4年前だったら18リットルの灯油缶を両手に持って難無く階段を上がったが、最近では僅かばかりの荷物でも、のったりのったりとした足取りでの上りになっている。今日も僅かな荷物だったがふうふういいながら運び上げていて、階段の途中で小さな命の終わりを見付ける。ハナバチの仲間だろうか、真っ黒い小さなハチの骸が転がっていた。

虫撮りや散歩の折などで見つけた虫たちの命の終わりを撮ったファイル「小さな命の終わり」を持っている。コヤツもこのファイルでは新顔だ。

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PCに画像を取り込んだ後、Webの昆虫図鑑でコヤツの正体を調べたが同定出来ずだ。これまでだったら、ハチの図鑑や双翅目類の図鑑なども併せて徹底的に調べ上げただろうに、老躯にはその根気強さが残っていないのだ。虫撮り仲間だったMさんなどが存命だったら、お前さんの調べあぐねているヤツは〇〇科・〇〇亜科の〇〇だよ、などとメールしてくれることがあったが、そんなMさんももういないのだ。寂しい限りだ。