ナガコガネグモのペア

初秋のこの頃はナガコガネグモの交接期なんだろうか。
9月の初め頃から、一つの巣網に大きなメスとその少し離れたところで小さなオスが陣取っているのをしばしば見掛けるのだ。

庭のキンモクセイの木では3組、ITOUさんの菜園のタラの木でも2組を見た。
残念ながらカップリングしている様子は未だ見たことがない。
ナガコガネグモのメスは交接が終わると小さなオスを喰ってしまうという、そんなことからもカップリングのシーンを見るチャンスはないのだろうか。

撮った虫たちの名前が判らない時はWebの図鑑などで徹底して調べていたが、いつの頃からか判るまで調べるという根気が無くなっている。
昨日撮った2種もかなりの時間かけて調べていたが途中で放棄してしまった。

ツマグロハバチに似たコヤツを長い時間かけたが同定出来ないまま放り出したのだ。
コヤツは初めて見たものではない、過去にも撮っているはずなのだ。
そんなことからも、ハチの仲間なのか、蛾の仲間なのか、ハエやアブの仲間なのか、それくらいの見当はつくはずなのに、それさえも思い出せないのだ。

韮の花にいたコヤツの名前も思い出せないのだ。

もう10年近くも前だが、知人のYさん(故人)からの近況を伝える便りの中に「脳漿が腐り始めている、言葉が思い出せないのだ」という文言があった。
川柳番傘のある地方支部の会長を務めていただけに、句が思うように作れなくなったことの苦しい日々を伝えて来ていたのだ。
やせ細っていく語彙、鈍化する感性、こんな状況に追い込まれると確かに苦しくなる。
今になって当時のYさんの心境が痛いほど判る。

年年歳歳思い出せないものが多くなりますよ、そんなふうに自分に言い聞かせるほかない。
虫撮りに行けるだけで好しとしよう。