レンゲ畑のキジ

雨の来ぬ間にと思いキジを見に行く。
家を出る時には風を左程にも感じなかったが、田圃道では時に強烈な西風に見舞われた。
風に向かって歩く時は、カメラを胸に抱え前屈みにならないと歩けないほどの風にも遭う。

強風の中を舞うトビ、甲高い声を上げながらトビに向かっていくケリのペア、田圃道を歩いていてこれらの光景は見掛けたが、双眼鏡を出して野面一面を丹念に探しても、他の鳥の姿を見付け出すことはなかった。
強い風の吹き荒れる中、鳥たちは何処に身を潜めているのだろうか。

鳥撮りを断念しての帰り道、一瞬だが遠くのレンゲ畑に黒い影が動くのを見付ける。
暫らく立ち止っていると再び黒いものが現われた、キジだ。

150-600mmでは豆粒なので、ザックや双眼鏡、一脚などを草道に下ろし、カメラだけを持って近づく。
手持ちで撮りながら少しづつ間合いを詰めていたが強風に煽られ手ブレの連続、キジがレンゲ畑の中に身を沈めたのをきっかけに一脚を取りにもどる。
風の抵抗を少しでも減じるためにフードを取り外してカメラをセットする。

キジは背の高いレンゲの葎から貌を出したり引っ込めたり、少しづつ移動しているようだった。


時に西からの強風が吹き募る、一脚を田圃の中に差し込むようにしてカメラを押さえ込み、ファインダーを覗いていた、それでも風に煽られて畦道から下の田圃に落ちそうになる。
遂には帽子を吹き飛ばされる、落ちた先がカワニナなどのいる小さな水路なのを確認し、再びファインダーを覗き続けた。


キジが全身を現しゆっくりと枯れ草の中に姿を隠すまで見届けて鳥撮りを終わる。


昨年はこのフィールドに3組のキジの夫婦がいた。
今年もそれぞれのテリトリーでキジの夫婦たちを見ることが出来るだろうか。
念願の子連れのシーンも見てみたいものだ。