沈丁花

1月の終わり頃から呆け暮らしの日々が続いている。
買い物に出掛けるカミさんに付き合う以外は外出することもなく、全くの冬眠状態なのだ。
穴蔵の中で年老いた熊が冬眠している状態を想像しながら、自分の状態もかくやあらんと、老熊のイメージを自分の上に重ね合わせていた。

随分久しぶりの散歩に出掛け、Iさんの庭の沈丁花の様子を覗きこむ。

寒風に晒されている為だろう、沈丁花の蕾は1月の終わり頃に見た状態と殆ど変わっていない。
それに散歩の途中で見かけるハクモクレンの冬芽の状態にも大きな変化は見当たらないのだ。
外形に変化は見当たらなくても、その内部では花開く為の準備が日々進行しているに違いない。
寒さが和らぎ始めると蕾の形は一挙に変化することだろう。
沈丁花の香りが漂い始める頃までに、何度、虫撮りに出掛けているだろうか。
呆け暮らしの日々に終止符が打てるのは何時なんだろうか。

早朝に目覚めた時、すんなり起き出せるような状態を取り戻さなくてはなるまい。