松枯れ

龍大瀬田キャンパスへ来るのは8ヶ月ぶりだ。
キャンパスを取り囲む林(瀬田丘陵・龍谷の森)の異変に気付く、昨年はあまり気にもならなかった林の松枯れの被害が拡大しているようで、雑木林の緑が少ないだけに松枯れが目立つのだ。


林に入ってみると松枯れの木を伐採した後が何ヶ所も見受けられたが、その伐採株のすぐ近くに松枯れ木が立っている、これは処理のスピードを上回る速さで松枯れが進行しているのだろう。
この調子で松枯れが広がると何年もしないうちに全山から松が消えるのではないかとさえ思われた。
全国的に見てもマツクイムシの被害は21、22年度に比べて増加の傾向にあるという。

それに少し気になったのは、松枯れの拡散を予防するため伐採後の松は破砕処理や焼却処理を早い時期に行うことで、マツノマダラカミキリやマツノセンザイチュウの駆除するのが常だが、伐採松を積み上げたままにしていることだ。人手不足なのだろうか。

冷たい小雨が降っていたが虫探しで雑木林の中をしばらく歩く。
虫達の姿は見かけられずだった。

今日の講座は「仏教の中央アジア的変容 ー教義と信仰 理想と現実ー」
講師が山田明爾・龍大名誉教授だったことと、講座のタイトルに惹かれての参加だった。
山田先生の講座はいつもワクワクしながら耳をそばだてているのに今日は居眠りしそうになる。
第1回目の講座、”初期仏教と土俗信仰 アーリヤと非アーリヤの狭間でー”を雪の為出席できず聴き逃していたから、今日の講義にうまくついて行けないのだ。

インドで生まれた仏教が各地に伝播・拡散してゆく過程で、土俗信仰やその地の既存宗教から様々な影響を受け変容する様に非常に興味があるだけに、初回の講座を欠席したことが悔やまれた。
第1回目のレジュメを貰ったのでこれを元に調べ直してみようと思うが、該博な知識から話される山田先生の講義内容には及びもつかぬ内容になりそうだ。
レジュメには「仏教興起の土壌;インド初期仏教の背景をなすもの」:ドラヴィダ農耕民の文化、アーリヤ(バラモン)的要素、インダス水系からガンジス水系へ こんな言葉が並んでいるのだ、話が聞けなかったのが悲しくなっている。