フタモンアシナガバチ

ルリタテハの幼虫の観察用にホトトギスユリ科多年草)の苗を10株ほど貰って庭に植えたのが5年前、今ではタタミ一畳くらいのスペースに広がっている。
このホトトギスの場所に今年は意外なほどチガヤが沢山伸び出しているのだ。
このまま放置しておくとますます繁茂していくのではないかと思い、根元から引き抜くことにした。
ホトトギスを引き抜かないように注意しながら、チガヤの根元まで手を突っ込んで引きぬく。
そんな作業を繰り返していてあっ!となることが起きた。
すぐ近くのホトトギスの葉の下から黒っぽい小型のハチが10匹ちかく飛び出してきたのだ。
ハチも吃驚しただろうがハチの事など想像もしていなかったからこちらも慌てて後退りする。
作業は中止だ。殺虫剤など撒くつもりは毛頭ないから、ハチが落ち着くのを待つことにした。

ハチはフタモンアシナガバチだった。

スズメバチのような獰猛で攻撃性の強いハチと違い比較的おとなしいハチだから、乱暴なことをしない限り攻撃してくることはない。

フタモンアシナガバチの巣作りの様子を4年前に撮ったことがある。
女王蜂が単独で巣作りを始めているところから第1陣の働きバチが生まれ巣作りに参加するまで(6月4日〜6月23日)を観察したのだ。


巣作りは6月23日以降も続けられたであろうが、巣作りの場所が道路に面した石垣だったため除去されてしまった。
これが我が家の庭だったら巣が放棄される冬の初めまで観察できたのに、そんな思いだった。

これ以降散歩の途次にはハチの巣作りを探しているが、見かけることはなかった。
それが我が家の庭で見つかったのだ。
フタモンアシナガバチのこの巣はホトトギスの葉裏に造られていること、これが気がかりだ。
この葉がいつまで巣を支えきれるだろうか、心配だ。
それに巣作りの様子を撮り易いように周りの草を刈り込みたいが、そんなことをすると巣がもろに雨を受けることになる。一工夫必要だ。楽しみが一つ増えた。