虫撮りで遠くのフィールドまで出掛けられない時は、家の近くの幾つかの空き地が虫撮りの場所になっている。
琵琶湖に向かって雛壇状に造成されたこの住宅地でも、空き地のままの土地がかなりあったが、昨年の秋の終わり頃から新築の家が多くなっているのだ。
これも消費税増税が見込まれるその影響だろうか。
フタモンアシナガバチの巣作りを撮っていた空き地にも家が建っているのだ。
イタドリや萱やツユクサが群落をなしていた空き地も今年の夏の初めに失くなってしまった。
残された空き地の一つに入ってみた。
白い糸くずを集めたような花にトノサマバッタが止まっているのを見付ける。
この花をこれまでフジバカマだとばかり思っていた。
トノサマバッタのシーンをパソコンの上で拡大して見ていて間違いに気付いた。
フジバカマの近縁種サワヒヨドリなのだ。
虫撮りの時など、川原や放棄田などで見かけるこの種の花をフジバカマだと見ていたが、大半はフジバカマではなくサワヒヨドリだったりその仲間だったのかもしれない。
フジバカマは今ではその数を減らしてしまい、環境省のレッドリストでは準絶滅危惧種(NT)に指定されているというから、本物のフジバカマを見るのは稀なのかもしれない。
フジバカマのことをWebで調べていて次のような俳句を見付けた。
藤袴橋の向こうに村は無し 木琴
心に引っかかる句だ、何度も何度も口ずさんでいた。