読書と虫撮りと

「木から辿る人類史」ローランド・エノス著を読んでいたが、ほぼ中程で本を伏せてしまっていた。相当に集中して読まねば理解できないという箇所が幾つもあり、老爺には結構厳しい読書だったのだ。(本書を伏せていた間、電子書籍で購入した佐伯泰英の「酔いどれ小籐次」を読む。全19巻を読み終えるのにそれほどの時間をかけずだった。丹念に読まなくても筋が追える小説の安直さ)

今日から再び「木から辿る人類史」に取り掛かる。

午後3時前、読書の眼休めにと小さな谷間の向こうの段々畑へ虫撮りに出掛ける。

陽当りの良い南西斜面には、ヤマトシジミツマグロヒョウモンモンキチョウ、モンシロチョウ、アキアカネなどを見かけた。以外に多かったのがヤマトシジミだった。

1mほど上の畑の斜面のカタバミの花にツバメシジミらしきヤツがいるのを見つけ、100mmマクロを持つて草の斜面を上るが斜面を上りきれず滑り落ちた。老いの悲しさ、踏ん張りきれず途中から転倒、カメラを抱えたまま仰向けにひっくり返る。全く打撲もないのにしばし起き上がれないのだ。動悸がしている。こんな経験は初めてだった。

帰り道は超スローな歩み。小さな谷間の畑からの帰り道では、いつも休憩させてもらっている無住の寺に辿り着くのがやっとだった。縁側に腰をおろし長い休憩をする。1時間近くいただろうか。休憩の後、カメラの上にコカマキリがいるのを見つける。

秋日好天、眼休めの虫撮りだったが、ますますの老いを突きつけられる。苦い一日だった。