吟行の人

湖北野鳥センター前の沖では、コハクチョウを筆頭にヒシクイアメリカヒドリ、ウミアイサ、ホオジロガモ等などたくさんの水鳥が見られるようだが、南湖に近い湖西の沖では僅かばかりの水鳥しか見られない。その数少ない鳥、ヒドリガモやカンムリカイツブリを狙って三脚を立てファインダーを覗き込んでいた時、見知らぬ人に声を掛けられた。「何を撮っていらっしゃるんですか」柔和な感じの初老の人だった。「ボケ防止のためと暇つぶしの鳥撮りです」など冬鳥に関する話を2・3交わした。その後その人は近くの東屋へ行きベンチに腰を下ろし、リュックから大判の手帳を取り出して何やら書き込んでいるふうだった。その様子にふとあることを気付き「今日は吟行ですか」と問いかけてみる。その人は「駄句を並べています」とはにかむような微笑を浮かべた。会話が上手だったら話も弾むのだろうが、80歳も半ば近くになった老爺はいたって話下手、ぽつりぽつりの会話だけだった。

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JR湖西線蓬莱駅の方へ向かって去っていくその人の後ろ姿を1ショットした後、私もカメラを三脚から取り外した。私の鳥撮りは不作だったが湖岸を行く吟行のその人はどんな句を大判の手帳に書き込んだのだろうか。

今日の鳥撮り。

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