川遊び(2)

読書に倦み眼休めを兼ねて長いヤツを持出し湖岸を歩く。
見渡す限りの湖面にも渚にも鳥の姿は全く見当たらずだった。
稲刈り後の田圃や放棄田でも僅かにカラスとサギの仲間がいるだけだった。
今日も小さな川で水遊びをしている親子がいるのを見付け、その様子がなんとも楽しそうに見えたので草むらに腰を下ろし暫くの間眺めていた。

土手下の斜面の草むらは少し汗ばむ程の陽光、カメラやザックを草の上に放り出し、斜面に大の字になる。
眼を閉じ、遠くの方から聞こえてくる子供たちの川遊びの声を耳にしながら、うつらうつらしていた、ほんの瞬時寝てしまったようだ。
こんな経験は初めてだった。

起き上がった時足元のカメラの上にイナゴがいるのを見付ける。

秋日好天、草むらの上での瞬眠、いい一日だった。