色の名前(2)

本日の京都新聞朝刊の一面に、”イガ青々 秋めく山里”というタイトルの写真入りの記事が掲載されていた、秋の気配の報告だ。
山間部に生育するブナ科の落葉高木シバグリが実り始め、その青々としたイガが秋の訪れを告げているという囲み記事なのだが、その「イガ青々」という表現に何かしら落ち着かないものを感じていた。
シバグリの若い実・イガの色合いを表現するのに「青々」ととは違う別の言葉はないものだろうか、とつおいつ思い巡らしていて、ドングリの若い実の色のことを書いたエッセイのことを不意に思い出す。
先日、色の名前のブログを書いた時は思い出すこともなかったのに、突然思い出したのだ。
先月の終わり頃の京都新聞だったはずだと思い、古紙として出すために縛り付けていた新聞の紐を切る、エッセイは8月26日の夕刊に載っていた。

染色家の吉岡幸雄さんが寄稿されている「色もよう洛中洛外」というエッセイ。
「青」という表題に続いて、「残暑厳しい季節 団栗は今まさに青白橡色 実りの秋へ彩り深め」との見出しが付いている。
「団栗の実のわずかに鈍い白緑をとくに、青白橡(あおじろつるばみ)というのが妥当かと思う」と記され「難解な組み合わせ文字のようだが、よく読めば青という色名にはここから緑系のものも含まれる」と解されているのだ。


青という色名に緑系をも見る、そ言われてもどこかしっくりこないのだ。
色の名前とくに日本の伝統色の名前をもう一度調べ直さねばなるまい。
昔の中国では若いクリのイガの色を何と表現したのだろうか、そんなことも気になっている。


終末期のノウゼンカズラナガサキアゲハが2頭来ていた。