トビイロシワアリの獲物(2)

連日の猛暑の所為だろうか擁壁に這うツタの傷みが酷いのだ。
これまでこの時季では見たことない枯れかたと落葉なのだ。
このツタも40年以上も前に植えたものだからツタとしてはもう老域に入っていて、暑さに負けているに違いない、ツタの為にも一雨欲しいものだ。
大量の落ち葉が風に吹き飛ばされてご近所迷惑にならないようにと掃き集めていて、階段の蹴込みの所にトビイロトラガが止っているのを見つける。

よく見ていると触覚を時折ピクッピクッと動かすのだが、なんとなく様子が可怪しいのだ。
眼を凝らして見るとトビイロトラガの翅の下で数匹の小さなアリが蠢いているのだ。
若しやと思い掃除を中断してカメラを取り出す。

若しやは的中していた、小さなアリはトビイロシワアリ
トビイロシワアリがトビイロトラガを襲っているたのだ。
トラガは完全に死んではいない、そいつを襲っているのだ。
トラガをそっと持ち上げひっくり返す、そこにはトラガの腹部を齧り取っているトビイロシワアリの小集団がいた。


先週木曜日にもこの階段でトビイロシワアリダンゴムシに群がっているのを見ている、今日はトビイロトラガを獲物にしているのだ。

トビイロシワアリは雑食性で蜜類、肉類を好んで食べ、草の種子も巣に持ち帰るという。
体長3mm弱のこのアリが齧り取ったトラガの肉片は極小で見えないが、巣に持ち帰っているのだろうか。

遊びをせんとや生まれけむ 戯れせんとや生まれけん・・・・。
小半時、背中を真夏日に灼かれながら階段に座り込んでいた。