橘の実

龍谷深草キャンパス紫光館に来た時には必ず覗き込む所がある。
構内に植栽されている橘の木だ。今日も丹念に覗きこんでいた。


これまでにこの橘の木にナミアゲハが来ているのを何度も見たことがある。
それに昨年の秋口にもカラスアゲハが来ているのを見ていることから、アゲハの越冬サナギが見られるかもしれないと探したのだ。

越冬サナギを見付けるという万に一つの思いは叶わなかったが、橘の実一個と空蝉を見付けた。
空蝉は此処で何度も見ているが橘の実を見たのは初めてだった。

初めて見る橘の実を眺めながら、崇神天皇の命で田道間守が常世国へ「ときじくのかぐのこのみ」を探しに行ったという物語を思い出していた。
「ときじくのかぐのこのみ」は今目の前にあるこの橘の実の筈だ。

田道間守命が艱難辛苦の果て常世国から持ち帰った時には、天皇は既に崩御されており召し上がることは出来なかったという。
この橘は平安神宮の右近の橘の二世木が植栽されたものなのだ。
この実がどんな味なのか食してみたくなっていた。


本日の講座は「歴史家たちの群像」の第3回目・遊牧民が語る「歴史」のはじまりートルコ系遊牧民の文字と歴史ーということで、遊牧民突厥の歴史や突厥文字などについての話だったが、中身の余りにも薄いのにお手上げだった。
不味いものを食わされたという気分だった。
前の方の席だったので居眠りもならず、iphoneを引っ張り出して突厥の歴史や突厥碑文のことなどを読んでいた。
講座は残り3講座、授業放棄になりそうだ。