つつじ

久しぶりに龍谷大大宮キャンパスを訪ねる。
早島理龍大文学部教授の講座・インド仏教における「いのち」論が5回の予定で始まる。
「いのち」論や「生命」論などの考え方や立脚点の違い等が聴けるのではと楽しみだ。

帰り道、龍谷ミュージアムで開催中の「チベットの仏教世界」展を観ようと堀川通の角を廻った時、興正寺の塀際につつじが咲き始めているのを見付ける。

未だ満開という感じではなかったが、喧噪で埃っぽい都市空間の中で、そこだけが清澄に見えた。空濠ではなくそこに水が入っていたらとか、一雨降った後などだったら、一層きれいだろうな、そんな思いで見ていた。
それと半分はいつもの癖で虫の姿を探していたのだ。全く見かけずだったが。

未だに「つつじ」とサツキの違いがよく判らない。
一つの花を見ても、どうもその時の気分によってつつじと書いたり、サツキと呼んだりしているようだ。

5月に入る頃から、ご近所のOさんの庭で、色とりどりのつつじ・サツキが見られた。
雛壇状に作られた台には30鉢近くが並んでおり、いずれもが見事な枝振りなのだ。
この見事なつつじ・サツキも、慈しむように育てていたOさんの姿も、見なくなって5・6年になる。庭の片隅に無造作に積み上げられている空鉢がフエンス越しに見える。何とも寂しいものだ。