黒地に赤2紋のナミテントウ

雨の一日だった。

小雨の降る中、高島の農家の方が朝採りのイチゴを届けてくれる。週に2度ほど届けてくれるこのイチゴの最大の楽しみは、味もさることながらその甘い香りなのだ。収穫して余り時間が経っていないから、スーパーの店頭に並ぶイチゴとは比べものにならない濃密な香りを放ってくれるのだ。

いつものように3パック買い求めその香気を楽しんでいた時、イチゴの間から黒地に赤2紋のナミテントウが這い上がって来るのを見る。

インターネットで何かの調べ物をしているカミサンを玄関先まで呼び立て、テントウムシの動きを見張ってもらうことを頼み、書斎にカメラを取りに駆け上がった。テントウムシを見たことが妙にうれしかったのだ。

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「雨の日で虫撮りにも行けずだったから、遠い高島の方からテントウムシさんが来てくれたようですね」ファインダーを覗いている老躯の横でカミサンが笑っていた。

 

雨の一日 呆けずに済んだ。

コンラート・ローレンツ著 日高敏隆訳「動物行動学入門・ソロモンの指環」早川書房 を書棚から引っ張り出した。明日は午後から写真展の当番の日だ、コイツを持参して来場者の途切れた合間に読んでみるか。