トビイロトラガとクロセセリ

午後一番雨上がりのITOU昆虫園と近くの草叢へ行く。
今年の初見の、トビイロトラガ(ヤガ科 トラガ亜科)とクロセセリを見た。


トビイロトラガはフイルム時代の頃から何度も見ているが、翅を開いた姿を見たことがない。
開翅した時の鮮やかな橙色の後翅の状態を撮りたいと思い、指先で突っいて飛ばせてみたが僅かな距離を翔ぶだけで思うものは手に入らずだった。

カボチャの葉の上で黒っぽいセセリチョウを見かけ逃げられないようにそっと近づく。
黒褐色の翅、前翅中央部の大きな白い紋様、長い触覚そしてその先端の白い帯。
クロセセリだ。


1960年代までは九州や山口県がこのクロセセリの北限だったが、北進を始めていて、2010年5月には大阪府高槻市大和で新鮮な個体が見られたとの報告があったようだ。
今では日本列島のどのあたりまで生息域を延ばしているのだろうか。

北進といえば思い出すのはナガサキアゲハだ。
南方系(亜熱帯・温帯性)のチョウ類がその生息域を北方に広げていく現象が注目を集めている、ナガサキアゲハ、ミカドアゲハ、ツマグロヒョウモン、イシガケチョウ、ムラサキシジミ、クロセセリ・・など、その代表がナガサキアゲハなのだ。
北進するナガサキアゲハ
このチョウは2016年現在日本列島のどのあたりまで到達しているのだろうか。

北へ生息域を拡大する一つの条件として、耐寒性を増大して適応しているという説もあるようだ。世代を重ねて適応性を増していく、これも一種の進化なんだろうか。


ITOU昆虫園のランタナ、我が家のブッドレアやノウゼンカズラ、これらにナガサキアゲハが来ることを楽しみにして待ってみよう。