いのちの時間

夕方の散歩の折ITOUさんの菜園に立ち寄る。
現在はえんどう豆が一畝花を付けているだけだが、何種類もの野菜が大きくなる季節にはいろんな虫達が見られる、そんなこともあってITOU昆虫園と称している所なのだ。
畑の法面には、イチジク、タラ、ツツジランタナ、畑の中には桜の若木が1本、半夏生、桔梗などの幾つもの草花も植栽されているから、身近な格好の虫撮りフィールドになっているのだ。

夕方ということもあって菜園で見たのは、クビボソジョウカイ、ツマグロオオヨコバイ、ミツバチ、近づくとタラの枝からポトリと落ちたヒメシロコブゾウムシ。

タラの木の上でヒメシロコブゾウムシが繁殖行動していた頃は、いっとき20匹近い数のゾウムシを見かけたが今日見かけたのは1匹だけ、丹念に探してみたが他には居なかった。
何処へ行ったのだろうか、それとも活動の時季は終わってしまったのだろうか。

それぞれの生き物のそれぞれのいのちの時間、ヒメシロコブゾウムシの姿を探しながらそんなことを考えていた。
いのちの時間のことを考えていて、随分昔読んだことのある「ゾウの時間ネズミの時間」本川達雄著のことを思い出し、本棚から引っ張りだした。「昆虫・小サイズの達人」(第12章)を拾い読みする。