雨後の草むらで

中沢新一の「神の発明」を呼んでいるが、集中してやれば何年か前までのスピードで読めているので、まずは一安心と老化してゆく自分を慰めていたが、午後雨上がりの草むらへ虫撮りに出かけた時、矢張り老化は静かに忍び寄っていることを思い知らされた。

雨上がりのこともあり、草むらで万一滑った時の事も考えて、いつものコンデジGX200)から防水性を持っているオリンパスのTOUGH-8000にした。

ヤツが背の高い草むらにいたのだ。
雨に濡れた羽を乾かすように草の葉に止まっている。
しかも真正面からも真上からもヤツの顔がアップで狙える、絶好の場所にいるのだ。

久しぶりに興奮する出会いだ。
だが高ぶる気持ちは一瞬だけだった。
微かな風がありヤツは草の葉と一緒にゆっくり揺れている。
風が止む瞬間を狙ってシャツターを切るが、AUTではシャッタースピードが遅くブレてしまう。
使い慣れているカメラだったら、感度を上げる、フラッシュを使う等一連の対応策が即座に取れるのに、たまにしか使わないTOUGH-8000の操作手順にもたついている。
手順はマニュアルを読み込んでいるのに、思い出せないのだ。

それまで私の足元で静かに待っていてくれたpukuさんが、待ちくたびれたように動き出す。
雨上がりのよく晴れた空へヤツは飛び去って行った。
ヤツはこんなヤツです。(1週間ほど前に撮ったもの)
サザナミスズメ蛾