五大明王壁画を観に

御室仁和寺で、秋の特別拝観として金堂裏堂の板壁に描かれた五大明王像が初公開されていることを知り、観に行く。

不動明王をはじめとする明王像はいずれも息をのむ素晴らしいものだった。
中でも金剛薬叉明王には圧倒される思いで拝観していた。
薄暗い明りの中の明王像それぞれと静かに対面していたかったが、どかどかと入ってきた団体さんに取り囲まれ押し出されてしまう。

不動明王像の前に、膝をつき両手を合わせ真言を唱えているように思える小柄な老婦がいた。
団体さんの無遠慮さなど全く気にしていない様子に驚き、その姿に促される思いで、金堂の中で団体さんが帰るのを待ち、再び明王像を観に裏堂に回った。
裏堂に戻ってみるに先ほどの老婦の姿はなかった。

吽形仁王像の手を撮る

仁王像の開いた手は何を象徴しているのだろうか。

桜の頃の仁和寺もいいが、しんしんと冷え込む真冬のひとけのない仁和寺もいいのでは、仁王像を見ながらふと思った。