杉木立の中の草道や林辺の田圃道で午前中2時間ほどイトトンボを追いかけた。
薄暗がりの杉木立の中には幾匹ものアオイトトンボがいたが、ファインダーに収めるまでが老躯には容易ではない、一度見失うと視界から消えてしまうのだ。
その上、草叢の中の細い草の葉先などに止まられるとAFが効かないのだ、MFにして撮っていたが老眼でジャスピンにするのに思いの外難儀していた。
トンボ撮りの帰り寄り道したところで最近では非常に珍しくなった稲刈りの光景を見る。
老夫婦が稲を手で刈り取っているのだ、ただそれだけでなくハサ(稲架)掛までしているのだ。
老夫婦が一休みするのを待って声をかけた。
田んぼの殆どはコンバインで息子が刈り取ってくれたが、自家米にすることとお正月のしめ縄作り等をする藁が必要なために手刈りをしているとのことだった。
稲架掛けして天日干しした米は一段と美味いこと、昔は稲藁でしめ縄を造るのは勿論のこと縄をないムシロを編み、草履も作ったこと、牛や馬のエサにもなった、などいろいろと話してくれた。
秋日好天、いい一日だった。