キジを追いかけて

遠くのAブロックと名付けている耕作放棄地にキジがいるのを見つけ1ショット。今日はコヤツをとことん追いかけてみようと田んぼ道をゆっくり近づく。

Aブロックの此処は背の高いヨシが生い茂るヨシ原だったが、6年程前にヨシが刈り払われ整地されて野菜畑になっていた。それが再び放棄されてセイタカアワダチソウや雑草が猛々しく伸びているのだ。キジの格好の塒に再び戻っているようだ。

田んぼ道を回り込んでみるとヤツは農道横の草むらに来ていた。

間合いを詰めていくとコヤツは畦下に身を隠した。近づきすぎたと思い20mほど後退して三脚を立てる。しばらくしてヤツはコンクリート製の畦に姿を現した。

花道をゆっくり歩む千両役者が一舞舞って進ぜようとばかりに、ケンケーンと声を上げ母衣打ちだ。

2度めの母衣打ちの後コヤツは縄張りを巡回するように、田んぼ道や草深い畦道、コンクリート製畦などを歩き、フィールドのほぼ半分近くを廻った。

コンクリート製の畦や細い畦を通ることの出来ない老爺は、コヤツを横目で見ながら安全な田んぼ道を遠回りだ。canon 7D mark2 +150-600mm+三脚(カーボン)鳥撮りのこの器材抱えての追跡、この器材が相当に重いのだ。老いが一層深まっているのを感じていた。

にぎやかな声が聞こえてくるのでキジから眼を上げてみる。小学生が下校していた。

キジは元の場所に戻るのだろう畦道から農道に出てきていた。

Aブロックの此処はやはりコヤツの塒のようだ。草むらに姿を沈めていった。

キジの親子連れを見たいな。今季孵ったヒナはもう随分大きくなっているだろうな。そんなことを思いながら三脚をたたみ帰路についた。今日はかなり歩いた所為か草深い畦道で2度程足をとられそうになった。

本日好天。かなり草臥れたがまずはいい一日だった。

加賀千代女の作と言われる「トンボ釣りきょうは何処までいったやら」の句を思い浮かべ、老爺も駄句 一句。

 そうろうと 老いのキジ撮り 田んぼ道    風来坊