カメの甲羅干し

小さな漁港の沈船の上でカメが甲羅干ししているのを見る。特定外来生物に指定されているアカミミガメ(ミドリガメ)だ。

ペットとして輸入されたものが遺棄され、今では全国各地の池や湖沼で見られるという。もう10数年も前だが比良山中腹に在る小さな池で甲羅干ししているコヤツを見たことが在る。わざわざ此処まで捨てに来る人もいないだろうと思われる場所だ。琵琶湖から這い登ってきたのだろうか、そんな思いで見ていた。

コヤツの定着は在来のカメ類や水生植物、魚類などに影響を及ぼし、生態系に深刻な影響が懸念されている。レンコン畑で新芽が食害され大きな被害が出たということを聞いたこともある。こんなことから条件付きの「特定外来生物」に指定され、新たな個体の輸入や販売、池などへの放流を禁止する政令閣議決定され、本年6月1日から施行とのことだ。

1時間ほどして車に戻った時、アカミミガメの様子が変わっていた。16世紀頃から西欧の帆船ガレオン船などの船首を飾っていた船首像を思わせる格好になっているのだ。戦に破れ沈没しかかってもなを豪然としている船首像、そんな図像を想像していた。

船首像を想像したことから、海洋冒険小説パナマの死闘」や「燃える戦列艦」などセシル・スコット・フォレスターの「ホーンブロワーシリーズ」が書棚に在ることを思い出していた。夢中で読んでいたがこれら本を手にすることはもうないだろう。

明日もいい天気のようだ。キジのフィールドへ出掛けてみるか。