チュウサギの獲物

寒風の吹く中、運転免許証更新のための認知機能検査を受けに行ってきた。”「認知症のおそれがある」基準には該当しませんでした。”という検査結果だったから、次の高齢者講習に進めそうだ。受検の帰り道、車の後部座席に長いヤツがあるのを幸いに和邇川河口へ向かう。強風注意報が出ていたこともあり、渚にアングラーの姿は無かった。アングラーたちがいないお陰で渚にはチュウサギコサギたちが合わせて7羽もいた。北からの強風に向かって波の打ち寄せる水際ギリギの所にいるのだ。こんな波の荒い日に魚なんか捕れるんだろうか、そんな思いで、サギたちの様子を車の中から眺めていた。よくよく見ていると、サギたちが立つ少し先の波間にカワウが浮き沈みしていた。最初は黒い羽のためよく判らなかったが10数羽いるようだった。

暫く見ていると、時折、波の中に嘴を突っ込むヤツがいるのだ。何度目かにその行動が魚の捕獲であることに気付き長いヤツを持って車を出た。車載温度計は7度だったが体感温度は3・4度か、寒さに身震いする。それにサギたちに向けた手持ちのカメラは強風に煽られてきちっと保持できない。三脚持参であればコイツにカメラを載せ手で抑え込むようにしてカメラを安定させるのだが。風の抵抗を少しでも減らそうとレンズフードを外した。

サギたちは思いの外の回数で魚を捕獲しているのだ。波間に頭を突っ込むヤツがいるのを見つけるとそちらに向けてレンズを振り、高速連写。合計127枚のショット数があった。しかし、体ごと吹き飛ばされそうな風とフォーカシングの拙さからピンボケやフレームを半分ほど外したショットの山。焦点がキチッと来ていればいい写真になったのにと思うものが多かった、残念だ。残したのはほんの僅かだった。

波間にいるカワウも魚を捕獲しているのだ。波間から顔を出すと嘴を上に向けて魚を飲み込んでいる。このシーンもかなりの枚数ショットしているが全てゴミ箱へ。

寒さ対策が十分でかつ三脚があればもう少し粘れたのだが、寒さに負けて退散だ。次回来るときには厚手のダウンジャケットや足元は防寒ブーツで来なくてはなるまい。魔法瓶に詰めたホットコーヒーとクッキーも持参しなければ。