何を狙っているのだろうか

午後3時前、散らかし放題だった書斎の片付けが一段落したので、鳥撮りに行く。いつもの耕作放棄地や見渡す限りの田んぼには全く鳥の姿は無かった。田んぼ道から和邇川河口へ向い、持参の双眼鏡で眺め渡した湖面にも水鳥の姿を見かけずだった。かなりの強風が吹いていた所為だろうか。

見かけたのは河口の砂州にいた老いたカメラマン一人。

何を狙っているのだろうか。三脚にカメラを載せている。レンズの方向ははるか向こうの沖島の方だ。さして絵になるとも思えない方角なのだが。ホットコーヒーをコンビニで買っていたからそれを飲みながら、車の中からカメラマンの様子を暫く眺めていた。カメラマンは随分経ってからレンズを下向きに振った。何を狙っているのか気になり、声を掛けてみようと寒風の中に出たが、補聴器をしていないことに気付き、1ショットした後、車に戻る。

沖合にも湖岸の砂州にも水鳥の姿はない。何を狙っているのだろうか。補聴器をしていれば狙いのものが聞けただろうに。残念だった。

帰り道、下校する小学生に出会う。小学生は補聴器の必要のない程の元気な声で応答してくれた。

帰り道でも野面に鳥の姿は無かった。