沈船の上のヒドリガモとカメ

暑気はまだまだ強いが風が爽やかだったので稲刈りの様子を見に行く。途中、小さな漁港に立ち寄る。沈船の上にいたヒドリガモと甲羅干し(?)しているカメを見かけただけで、漁港はひっそりとしていた。

この漁港では早朝に来ると、稚鮎、モロコ、スジエビ、イサザなど季節の魚などを分けてもらえることもあるようだ。昨夜も午前3時過ぎ目覚めて寝室のカーテンを開けた時、眼下の沖合に浮かぶ漁火を見た。どんな獲物を狙っているのか判らないが、こんな漁火を見かけた時には一度訪ねてみたいものだ。

目的の稲刈りのシーンは駄目だった。見渡す限りの田んぼではコンバインの姿はなかった。稲の取り入れ作業が本格的になるのは一週間ほど先だろうか。早稲の田んぼでは収穫は終わっていたが、その他の田んぼでは未だ青い稲が多いのだ。

田んぼ道を歩いていて、イヌビエ、オオクサキビ、タガヤツリや名前を知らないの雑草が、稲よりも多いのでは、そんな田んぼが点在していることに気付く。

コンバインで刈り取れば籾とこれら雑草の種は分別されるから問題はないと言われるけれど、雑草の種は田んぼに落ちるだろうから来季もまた猛々しく成長してくるのだ。

私の子供の頃にはこんな雑草の多い田んぼは皆無だった。田んぼに雑草が生えるのは農家の恥だった。雑草を生やしてと嗤われたものだ。除草剤なんて無かった時代だったから、炎天下でも雑草を刈り取る専用の鎌(人差し指を曲げたほどの鎌刃に1m近い長い柄を付けたもの)を持って一茎一茎丹念に刈り取っていたものだ。(米の買い取り審査の折、米に雑草の種などが混入していると米の格付けが落ち、農家の収入に影響した)

コンバインは見かけなかったが、田の畦の草刈りをする人が一人いた。

日本の棚田百選に選ばれた畑(高島市)の棚田は今どんな様子だろうか。四季折々に訪ねていた畑の棚田も今では随分遠くなってしまった。

追伸

5年ほど前、トンボ撮りに行った時、稲田というよりも雑草の生い茂る中の稲、という風景を撮った事がある。