冬のクモとオンライン講演会のこと

二階の書斎を久しぶりに大掃除するつもりで掃除機を運び上げるが、掃除機が重くなっていて老躯は運び上げるのに難儀している。踊り場で一息ついていて、ベランダの網戸にクモがいるのを見つけた。ゆっくりと動いているのだ。真冬の寒空の下のクモにおっ!という驚きがあり掃除機を放り出して1ショットする。

f:id:gagambow23:20220130210906j:plain

何というクモだろうか。成虫で越冬するクモはアシダカグモオニグモ、ヒメグモ、キンイロイエグモ、ハエトリグモの仲間などと、種類は限られているのに、クモ図鑑で調べてみても同定できないのだ。こやつは何というクモだろうか。

虫撮りは随分長い間やってきたが、成虫で越冬する虫たちを見たのは、ウラギンシジミルリタテハ、キチョウ、ホソミオツネントンボ、ナミテントウ、キイロアシナガバチクサギカメムシクロウリハムシ、カマドウマ、ハエトリグモなどごく僅かな種類だけだった。

20年以上も前だが、昆虫写真家今森光彦さんの写真集で、雪を冠った木の下で越冬しているキチョウの写真を見たことから、そんなシーンが撮りたいと、冬の間何度か出掛けたことがあるが思いは叶わずだった。歩いて歩いての偶然がもたらす一瞬がなければ見ることの出来ない光景、それが雪を冠った木の下のキチョウの写真だろう。

越冬中の虫たちを撮れなくても、暖かくなり始めた早春には越冬あけのルリタテハなどを探しに雑木林に潜り込まねばなるまい。

 

昨日のオンライン講演会「人類史的視点からのレジリエンス(危機を生きぬく知)」はタイトルの重みから相当に期待していたが、老爺には薄味に感じられた。このタイトルの中身を語るには90分という講演時間では講師も大変だったと思う。大学の正規の講義だったら1学期は要する内容だ。モンゴルやアンデスなどでのフィールドワークの苦労話なども含め、如何に現地の人たち(あるいは祖先の先住民)がレジリエンスを体現して来ていたかを、じっくりと聞きたいものだ。