姫リンゴとハチの死

キジ撮りのフィールド、耕作放棄地の一つに、長い間放棄され原野に還り木々の生い茂った一区画がある。キジの重要な営巣場所になっているのだ。この林の中にひょろひょろと伸びた背の高い姫リンゴの木が一本ある。鳥の落し物が大きくなって実をつけるようになったのだろう。モズを追いかけていて赤い実を見つけ頂いて帰った。

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鳥が食えるものならば人も食できると思い囓ってみる。酸味の強い少し渋みがあるが、歯触りも味もまさにリンゴだった。コンポートにすればどんな味わいになるだろうかなどと、いろいろ想像しながら小さな小さな実を囓っていた。

もう随分以前だが、朽木村の奥山の雑木林で野生のサルナシの実を見つけ囓ってみたことがある。秋の初めだった。熟す前の青いヤツだった所為か、思わぬ酸っぱさと渋みに、吐き出していた。雑木林を歩く折に見つけてはいろんな野生の果実をよく囓ったものだ。

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寄り道をした菜園(年老いた夫婦が季節季節の野菜を栽培していたが、今では放棄されて久しくなり、草むらは老爺の絶好の虫撮りの場所になっている)の南斜面下の風の当たらない石の上の陽だまりでハチの死を見る。風雨に曝され続けた様子には見えないのだ。何処かの寒さのしのげる所で生き延びてきていたのだろうか。

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 陽だまりに蜂の死見たと残日録    風来坊 (推敲しないままに)