夕立に逃げ帰る

昨日の蚊の襲来にこりていたから今日は蚊除け対策も十分にして、ITOUさんの菜園に行く。キボシカミキリの飛翔が再び見られるかもしれないと思い、撮影に万全を期すようにと、三脚、リモートレリーズ、マクロツインストロボ、100mmマクロ、180mmマクロ、35-350mm望遠ズームなど、重装備だ。残念ながら期待は叶わずだった。このイチジクの木では複数のカミキリを見かけることも多々あるのだが、今日は木々の間を丹念に探すも全く姿なしだった。

冬瓜の花で吸蜜しているベニシジミにレンズを向けていた時、急に陽射しが暗くなり始める。夕立の予感に急いで機材をまとめ菜園を後にした。道中ぽつりぽつりし始める。重いヤツを担いで小走りだ。玄関の庇の下に入るのと篠突く雨が叩きつけてくるのがほぼ同時だった。菜園でもたついていれば機材も老躯もずぶ濡れになっていただろう。腕時計を見ると時刻は15・23。玄関に機材を下ろすなり玄関先に寝転がった。赤いハートのアイコンの数字は81と表示されている。かってないほど小走りしたことで鼓動が早くなっていたのだ。

しばらく寝転がって天井を見ていた。その時、不意に一つの俳句が頭をよぎる。

「夕立に走りくだるや竹の蟻」

作者が誰なのか、いつどこでこの句を眼にしたのか、それらは全く思い出せない。天井の小さなバラの模様を眺めながら、何度もこの句を口ずさんでいて、思い出したことが一つあった。「夕立」はこの字ではなく「白雨」だったと。

思うに虫撮りを専らにしていたからこの句を覚えていたのだろう。それと「白雨」をゆうだちと読ませる字面に感心していたことが印象に残り記憶していたのだ。

この句の作者をググってみるに、作者は内藤丈草、芭蕉の弟子、蕉門十哲の一人だった。

冬瓜の花にいたベニシジミ

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耕作放棄地のフィールドのキジのことが気にかかっている。無駄足を承知で近日中に出掛けてみよう。