我も老い彼も老い

定期検診に出掛けた病院の待合室は、11時半からの受診予約だったこともあり、5人程の人がいるだけで3密の心配はまったく無かった。そのうちの一人に見覚えがあるように思い眼を凝らした。旧い知人のOさんだった。長い間お目に掛かることも無かったからその変貌ぶりに驚く。ダンディで精悍な風貌をしていたOさんだったが、見る影もなく老いやつれているのだ。大手繊維メーカーの大阪支社の凄腕の営業部長から、系列会社へ取締役として転籍し、業績を立て直した頃のOさんのことをよく知っているだけに、背中を丸め椅子に座っている姿の老いの激しさに、声を掛けるのを躊躇っていた。

我も老い彼も老い。

老いの近況を尋ねるのも、老いの近況を告げるのも、何かしら気持ちに引っ掛かる事があり、ついに声を掛けることが無かった。Oさんは内科を受診しているようだった。呼ばれて診察室へそろりそろりと入って行く姿に、我も老い彼も老いたり、疾痛のようなものを感じていた。

 

6月8日以来鳥撮りに出掛けることもブログを書くこともなく、本読みに耽っていた。ローズマリー・サトクリフの作品を読んでいたのだ。

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久しぶりの鳥撮りはアオサギ。定期検診からの帰り田んぼの中にアオサギがいるのの見つけ車を停めた。

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