キジの砂浴びを見た

Eブロックと名付けているキジ撮りのフィールドで最も大きかったヨシ原が刈り払われたのが4月の末頃、その刈り倒されたヨシ原に火が入っていた。バーナーで焼き払われたようだ。

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この耕作放棄地Eブロックはキジの営巣場所だった。夫婦連れが草むらに出入りするのを何度も見ていた。この場所が刈り払われそして火が入ったことで、フィールド全体に何か異変が起きているよに感じられるのだ。キジの出現率が落ちているように思われる。今日も鳥撮りは不作かと思いながらトボトボ草道を歩いていた時声がかかる。名前は存じ上げないが顔見知りの老爺が車を停め呼びかけてきたのだ。車を降りるなり「キジが砂浴びしてるよ」と指差してくれた。軽トラの荷台の様子から見て田んぼの見回りに行く途中だと思っていたが、私がトボトボ歩いているのを見てわざわざ教えに来てくれたのだ。

田んぼよりも一段高くなった畑の斜面に黒いヤツがいるのを見つける。お礼もそこそこに目的の場所へ急ぐ。キジの砂浴びを見掛ける機会はそんなに多くないのだ、嬉しくなって小走りだった。

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体についたダニなどの寄生虫を払い落とすための砂浴びだ。片羽根を広げて砂を搔き入れたり全身に浴びたり、嘴を使って土を胸元に取り込んだりと、丹念に砂浴びを繰り返していた。

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夢中でファインダーを覗いていると背後に車が停まる。田圃道は軽トラが1台やっと通れる道幅、老爺は引き返すために遠くの交差点にまで行ってUターンしてきたのだ。珍しい光景が撮れましたとお礼をした。

「今朝早くにはつがいでいたけんどな。メスはどこへ行ったんやろうな」田圃道で出会う人の暖かさが言うに言われず嬉しかった。

現役当時だったら名刺交換などをするのだが、名刺など持ち歩かなくなって20年近く経っている。次回お会いした時しっかり名告らなくてはなるまい。

本日も好天 いい一日だった。