キジの夫婦とツグミ

畑の草むらに急降下してきたヒバリを探し出し数ショット。「見返り美人」の1ショットが撮れていることをモニターで確認して歩き出した時、2区画ほど先の田圃の畦にキジの夫婦がいるのを見付ける。これだけだったらこれまでに何度も撮っているからさほど面白い光景ではないのだが、キジの夫婦の前にツグミがいるのだ。珍しいシーンに嬉しくなっていた。

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営巣場所の草むらから出てきたのだろう、畦の上をゆっくりこちらに向かって歩いてくるのだ。ツグミが先導しているかのようだ。目的の場所への道筋を老爺が塞いでいる、どうもそんな状態のようだ。キジは歩みを停めた。

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田圃に水が入っていなければ田圃を横切って目的地へ行けただろうに、水が張られている所為で畦道を遠廻りしなければならない、しかしその先には人がいるのだ。

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メスが飛び続いてオスが飛んだ。老いた鳥撮り人の悲しさ、2度のチャンスとも追いきれないのだ。メスは1区画の田圃と農道を越えて(約20mほどの距離)向かいの草むらに飛び降り姿を消したが、オスはその距離を飛べず農道に降り急ぎ足でメスの後を追った。こんな様子を眺めているととても仲の良い夫婦の道連れのように感じられた。

複数のオスの縄張りをメスが訪れる乱婚がキジにはあると言われている。しかし、これまで幾ショットも夫婦連れを撮った、それらのシーンを思い出しても、乱婚性があるようには思えないのだが。

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キジたちが姿を隠した後近づいてみるが、草むらに隠れてしまい姿はなかった。随分経ってから甲高い声を聞き、草むらから出てきて母衣打ちする姿を見る。

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2時間近くフィールドにいたが、この後再びキジの啼声もその姿を見ることはなかった。北へ帰つて行ったとばかり思っていた冬鳥のツグミが未だ残っていたとは、キジの夫婦とツグミのコラボ、本当に思いがけないシーンだった。

ヒバリの見返り美人と名付けた一枚。ヒバリも今が子育ての真っ最中、子連れを見てみたいものだ。

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