恐れ気もなく近づいてくるキジ

キジ撮りのフィールドは田圃の中に点在する耕作放棄地。便宜的にその放棄地をA,B,C,D,E,F,Gのブロックに区分して、キジの出現や母衣打ちなどの回数を記録していた。この7ブロックのうち、母衣打ちやペアで現れる回数の最も多かったAブロックは一昨昨年ヨシ原が刈り払われ元の田圃に、今では野菜畑になっている。今日は耕作放棄地の中でも最も大きかったEブロックのヨシ原が刈り払われているのを見る。

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小型の重機が入ってヨシを根元から掻き起した痕が残っている。その重機がやり残した境界畦の草むらを人が刈り払っていた。このEブロックのヨシ原ではこれまで何度もキジの夫婦連れがいるのを見てきた。ここは営巣場所になっていた筈だが、重機が入ったからには卵も踏み潰されたことだろう。老いた鳥撮り人は何とも表現の出来ない寂しさを覚えていた。

遠くの草むらからこちらに向かって来るキジがいるのを見つけ3脚を据えた。ヤツは恐れ気もなく悠然と近づいてくるのだ。

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手を伸ばせば届きそうな至近距離まで近づいてきたのには驚かされた。赤い肉垂れも立派な顔貌をしている、相当に人馴れしたヤツに違いない。これまで随分撮ってきたがこれほど堂々と身近に接近してきたキジにはお目にかかったことがなかった。

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ヤツはかなり長い間その場にいてこちらを見ていた。お互いが眼の中を覗き込む、そんな感じの一刻だった。

その後ヤツはゆっくりと草むらに姿を隠す。

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再び見つけた時は5区画ほど先の畦道にいた。

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急にぽつりぽつりし始めたので3脚からカメラを外した。