海が見たい

昨夜は随分遅くまで「王たちの道」ブランド・サンダースン著(早川書房)を読んでいた所為で起き出すのが遅く、枕元のスマホの呼び出し音で目覚める。9時を過ぎるとカミサンが電話してくるのだ。カミサンが元気な頃はお昼近くまで寝ていても無干渉だったが、老いが進むにつれお互いの目覚めを確認し合うようになっているのだ。

呼び出し音で目覚めた時、一瞬だが、小雪混じりの風が吹き付ける海岸をドライブしている夢の続きを見ていた。最近では夢を見ることが無くなったのか、見ていても記憶に残ることがないのか、そんな状態なのに、今朝は鮮やかに海岸の光景が残っていた。

「海が見たい」なにかの拍子にふと海が見たくなることがある。何年か前まではそんな思いが募るとカミサンを誘い出して海を見に行ったものだ。越前海岸だったり丹後半島だったり、志摩の海だったり、瀬戸内だったり.etcだ。こうした光景の中の一つに、ある条件をつけて再度訪ねて見ようと思いながら果たせずにいるところがある。丹後半島にある小さな漁港・三津漁港だ。

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この漁港に車を停めたのは12年ほど前の2月、カニを食べに行った帰り道だった。風もなく穏やかな日だったがすごく寒い日だった。ファインダーを覗きながら、小雪混じりの風が吹き荒れ、雪が薄っすらと漁港に積もっていたら面白いだろうに、そんなことを考えていたことを思い出している。

海が見たい。