ジョロウグモと黄菊

朝から陽射しは素晴らしかったが風は身振りいするほどの冷たさだった。こんな冷たい風が昨夜は一晩吹き荒れたのか、擁壁に這う蔦の紅葉もほとんどが落ちていた。ご近所迷惑になるほど飛び散らかっているのだ。ベランダでは3匹のジョロウグモが秋の初め頃から巣を張っていた。先の台風の時には吹き破られることのなかった巣が今回は2つが完全に吹き飛ばされ、一つだけがボロボロになりながら、かろうじてクモが留まれるのみという状態で残っていた。よほどの冷たい強風だったのだろうか。

蔦の落ち葉を掃き集めていて階段でジョロウグモがいるのを見つける。

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何処からここに来たのだろうか。

軒下では黄菊が花開き始め、時折吹き付ける冷たい突風にも凛として揺れている。その姿を撮りにカメラを持ち出したが風の寒さに身をすくめ早々に部屋に戻る。菊といえばこの時季食用菊をITOUさんがよく届けてくれたが、今年は食用菊の栽培をやめたとのこと、何かしら寂しい思いがする。

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寒さから逃げ帰った後は、陽だまりの場所に座り込んで読書(イ・ヨンヒ著・もう一つの万葉集)をしていたが集中できずだ。呆けたようにガラス戸越しに黄菊の揺らぎを眺めていた。