キジ Battleを見る

路肩に車を停めヨシ原の角を回って農道へ出た途端、母衣打ちを見る。

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幸先の良い出会いだと思い1ショットした後ゆっくりと近づく、なんと無愛想なヤツだ、こちらを一瞥するなりそそくさと前の草むらに入り込んだ。姿かたちから見るに人慣れしていない若鳥のようだった。

持参したホットコーヒーとサンドイッチの朝食をとりながらヤツが再び草むらから貌を出すのを待つ。草むらのあちこちからオオヨシキリのギヨッギヨッ、チチチチチッ、チチチチチッとの鳴き声が聞こえてくるばかりで、キジの啼き声はその後一度もなかった。姿も現さずだった。

今日も不作かと思いながらフィールドを一巡して車の方へ帰りかけた時、遠くの方に黒いものを二つ見つける、老眼では確認しずらい距離、600mmにしたカメラのファインダーを覗く。黒いものはキジだった、キジが睨み合っているのだ。

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小走りに近づく、あっという間にBattleが始まった。

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田んぼの中でBattleは何度も繰り返された。一休みしては睨み合い再び闘うといった調子、遂には場所を変えての闘いにもなる。

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何度も何度も闘いがあった。

そんな闘いにも水が入る、赤い服を着て自転車に乗った人が近づいてきたのだ。

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この農道を境に左の草むらをAブロック右ヨシ原をCブロックと名付けている。キジたちはそれぞれ右と左へ別れていった。

先日のBattleは夕日で逆光今日は朝日で逆光だった。思いのものが撮れないとぼやいていたらカミサン曰く「欲しいものが撮れるまで通い続けることですね」。確かにその通りだ、フィールドへ出掛けられる体力が残っていることに感謝しなければなるまい。

5月の薫風と陽光、今日も呆けずに済んだ、好日だった。