いのち尽きる

買い物から帰り荷物を下ろしていて、階段横の石積みにオオカマキリがいるのを見付け、荷物を運び上げるのもそこそこにコンデジを取り出した。
レンズの先端をギリギリまで近づけてもカマキリは反応しないのだ、よくよく見ると、オオカマキリは右前肢を伸ばし鉤爪の部分を石の突起に引っ掛けるようにして、死んでいるのだ。
此処まで登ってきて、まさにいのちが尽きたという感じの死に様、そんなふうに思えた。

いのち尽きたオオカマキリの様子を見ていて孫娘のことを思い出していた。
彼女が幼稚園児だった頃の夏の終わり、何処かで拾ってきたアブラゼミを庭の片隅に埋めているのを見たことがあるのだ。
動かないもの=死、そんなことをどこかで感じ取っていたのだろうか。
そんな孫娘も今では大学2回生、医学部生命科学科に在籍している。

生があり、青春があり、老があり、死がある。
草むらに虫たちの姿は稀になった。