キジの砂浴び

田圃道に足を踏み入れるとほぼ同時に甲高いキジの啼き声を聞く。
啼き声の聞こえた方角に双眼鏡を向ける、Cエリアと名付けている場所の最も遠い東端にいた。
足場の悪い耕作放棄地の畦道を重いヤツと三脚を抱えて急ぐ、バランスを崩せば湿田に落ちることになるのだ、平衡感覚の劣化している老躯にはかなり厳しい道行きだった。
難儀して畦道を渡った甲斐があった、目指す場所にキジはいてくれなかったが、田圃一枚分離れた所で、キジが砂浴びしているのを見付けたのだ。


キジは畦道の泥を嘴で掘り起こしては砂浴びを繰り返す。
体の向きを変えたり長々と寝そべったり、嘴て羽の間を突っいたり。
20m足らずの近くに3脚を立てていたが砂浴びに夢中なっているのだ、こちらを気にしている様子はない。

小半時キジが付き合ってくれた、陽光燦々 好日だった。