湖の荒れる日

読書に倦み、魔法瓶にホットコーヒーを入れ、フロランタンと長いヤツ持参でいつもの河口へ行く。
車載温度計は9度だったが風が吹き荒れている所為で体感温度はもっと低く感じた。
雲の流れによっては時雨が通り過ぎて行き、時にはよろめく程の突風が吹き付けてくる。
そんな湖岸の水際で見掛けるのはコサギ1羽だけ、カモたちの姿はまったくなかった。

コサギを1ショットした後川沿いの道を歩き始めたものの時雨と風がやって来る、車に逃げ帰った。
鳥探しを諦め、ラジオをかけコーヒータイム、暫くの間荒れる湖面を眺めていた。

帰り掛けに、若いバサーが釣りの準備をしているのを見掛ける。
寒空の下のバス狙いが気になり声をかけた。
寒くなるとバスの動きは低調になり満腹状態になっているからヒットさせるのは難しいが、デカバス狙いには冬の方がいい。
1投目はシャッドプラグで狙ってみようと思う、などと言いながら平べったい小魚の形をしたルアーを見せてくれた。
2年前の冬ここでランカーを上げましたよ、応対してくれる若者の顔は活き活きと輝いて見えた。