ザクロ

薄日も差さず終日曇天、肌寒い陽気、それに昨夜から風邪気味なのだ、そんなこともあって虫撮りにも出掛けず読書もせずの暗鬱な一日を過ごしていた。

3度目のコーヒーを淹れていて、何の脈絡もなく、昨日虫撮りの折見たザクロのことを思い出す。
硬い外皮がはじけ赤い粒が顔を出したザクロだ。
ザクロが無性に喰いたくなっていた。


もう随分長い間ザクロを口にしたことはない、小さな粒の種の周りにくっつく僅かばかりの果肉、それがどんな味だったか然と思い出せないほどだ。
買い物に出かけた時に見かければ買い求め味見したいものだ。

ザクロといえば、山田明爾龍谷大名誉教授(故人)の事を思い出す。
「法顕伝・購読」の講座の折だった、ザクロと鬼子母神に関する話、小林一茶とシラミの話、ザクロとマンゴーのこと、インドの巨樹信仰のこと等などが、法顕の歩いた風土の描写の一つとして、本筋から脱線しますがねと言いながら語られたのだ。
素晴らしく面白い講義だった。

ザクロ いろんな思い出がある。