ヨモギの虫こぶ 

「庭に白い綿毛のような毛をした虫らしいものがいますよ」
そんな電話が孫娘からかかってきた、虫撮りに夢中になっている爺さんのことを気に掛けてくれているのだ、陽射しは厳しかったがスープの冷めぬほどの距離、100mmマクロを持って出掛ける。

庭のヨモギにくっついていたのは虫ではなく、ヨモギにつく虫こぶだった。
虫こぶとは承知していたが正式な名前は知らなかった。

ヨモギクキワタフシと呼ばれる虫こぶ、ヨモギワタタマバエという体長3mm弱の小さなハエの仲間が卵を産みつけたために出来る虫こぶとのこと。
この虫こぶのすぐ横にもう一つ違った虫こぶが付いていた。

この虫こぶもよく見かける虫こぶだけに、意識して手にしたりレンズを向けることはなかった。
これも調べてみるに、ヨモギクキコブタマバエが作る虫こぶ、名前はヨモギクキコブフシ。

二つとも持ち帰って、ピンセットで綿毛を丁寧にむしり取ったり、カッタナイフで切り裂いてみたが、卵らしきものは見付けられずだった。

秋口になったら雑木林などでいろんな虫こぶを見かけるようになる、孫娘が作ってくれた虫こぶ探しのきっかけだ、本気で撮ってみよう。

虫こぶの他に、散歩の折見つけたというイモムシのいる場所まで案内してくれる。
黒い胴体に金色の帯紋と赤い眼状紋、先端の白い尾角を持つセスジスズメの幼虫がいた。

終齢幼虫のようだ、
成虫は三角翼を有するジェット戦闘機のようなヤツなのだ、そんな姿が見たいと思い飼育箱に来てもらった。

炎暑なれど本日好日。