渡りをするトンボ

台風7号の影響だろうか今日も昼過ぎにわか雨があった。
雨の後は僅かな間だったがしのぎやすくほっと一息つく。

買い物帰りの道すがら、雨上がりの草叢の上を翔ぶウスバキトンボの小集団を見掛け、荷物を下ろすのもそこそこにカメラを持出し草叢へ行く。
ウスバキトンボの飛翔を見掛けカメラを持出して草叢へ駆けつけるまでに用した時間は10分足らずだったのに、草叢に到着した時にはトンボの翔ぶ姿はなかった。
草叢の片隅で一匹のウスバキトンボを見付けただけ。
がっかりしなさんな、これから先この草叢ででもウスバキトンボの群舞が見られますから、老爺を慰めていた。

このウスバキトンボが渡りをすることを知ったのは4年程前。
渡りをするチョウ、オオカバマダラやアサギマダラのことは承知していたが、トンボが渡りをするとは全く知らなかったのだ。
海の上を渡ってくるトンボがいる、このことを知った時不思議な驚きに見舞われていた。

毎年5月頃に八重山諸島やさらにその南方地域から飛んで来るという。
海面に降りて休んだり島伝いに北上しながら本土にやって来、世代交代を繰り返しながら北上していく。ついには北海道へ、更にカムチャッカ半島まで到達するものもいるようだ。

ウスバキトンボは溜池や水田のみならず市街地の貯水槽や学校のプールでも育つという猛者。
この猛者もやはり南国の昆虫故に水温が4度以下になるとヤゴは死滅してしまい、ウスバキトンボが越冬することはないのだ。

渡りをして来たトンボの後裔が今ファインダーの中にいるこのトンボだ、コイツは渡りを始めてから何世代目なんだろうか。

ウスバキトンボを撮りながらいろんな事を想像していた、本日好日。