漁り火

早朝の湖上に漁り火を見た、稚鮎捕りの船のものだろうか。
コンデジ窓の手摺に押し付けて撮る。

5・6月の早朝にはしばしば稚鮎捕りの船を見掛けることがある。
時には数隻の船が共同作業をしているのでは思われるような動きをしていることもある。

湖上の漁り火を見ると決まって知人Nさんと彼の作品「漁り火」のことを思い出す。
水の入った棚田の上から沖合のイカ釣り船の漁火を撮ったモノクロの写真だ。
Nさんは晩年まで、モノクロ写真を專らにし愛機はハッセルブラッドやリンホフだった。
重い大判のカメラやこれも重い三脚を担いで、漁り火を撮るために棚田道を上っていくNさん。
そんな姿を稚鮎捕りの漁火を眺めながら想像していた。