ヤマガラ

虫撮りの帰り道、僅かな急坂を上っただけなのに息切れがして公園のベンチに座り込む。
座り込んだベンチのすぐ近くのカイズカイブキの木で、茂みに出入りする小鳥が2羽いるのに気付く。小鳥は2羽ともヤマガラ、茂みの中で虫探しをしているようだった。

鳥撮りを始めたのが昨年の10月初旬、それ以来何度かヤマガラには出逢っているが、まともにシャッターが切れていないのだ。
ヤマガラが飛び去らないことを願いながらザックからカメラを取り出し、持ち出しているレンズのうちで一番長いヤツ(75-300mm)を装着する。
これまで数えきれないほどレンズ交換をしてきたが、これほど急いでしかも息を詰め静かな動作でレンズ交換をしたのは初めてだった。


鳥撮り用の150-600mmを持参していれば、満開の桜の木を渡り歩くヤマガラを狙えただろうに、今回は虫撮り用の軽量レンズ、100mmマクロ、17-70mm広角ズーム、10-17mmfisheye、それと75-300mm。
フェンスの向こうの桜に行ってしまうとその遠さに300mmではお手上げだった。
虫撮りの時150-600mmをも併せて携行する体力は老躯にはもう無い、せめてX2テレコンをザックに入れなくては。忘れないことですね、誰かが囁いていた。

欲しいと思っていたヤマガラが撮れた、先ずは好日としなければ。