ギンヤンマの死

道端でギンヤンマの骸を見付けた。
猛暑に晒されていた所為だろう、カサカサに乾いて躯の色も変わり、尾部も折れていた。
草叢の上を素早い飛翔でパトロールしていた時の、あの美しい姿はなくなっている。

ギンヤンマの骸を見ながら、7月に入ってこれまで虫撮りに出掛けたのは何回くらいだったか、と思い返していた。
猛暑に負けて目的のフィールドへは殆ど足を運んでいないのだ。
そして7月が今日で終わる、そんな終わりの日、ギンヤンマの死を撮る。

 投げだした足へとんぼとまらうとする
 いつも一人で赤とんぼ
 うれしいこともかなしいことも草しげる       山頭火