アシナガバチがいるのを見付けコンデジをポケットから引っ張り出しそっと近づく。
階段を三段ほど下りたところでハチの様子が可怪しいのに気付く。
アシナガバチは死んでいた。
昼すぎまで何度も階段を上り降りしたがその時は気付かなかったから、ハチが死んでそれ程の時間は経っていない。
10年くらい前までは虫たちの死を見ることはあまりなかったが、3・4年ほど前から玄関先のタイルの上だとか階段近くで虫たちの骸をよく見掛けるのだ。
路傍でも虫の骸に気付くことが多くなっている。
我が家は普通の住宅地の一角、特別な環境下にあるわけでもない、以前写真仲間のAさんに虫を飼っているのと言われたこともあるが虫を飼っているわけでもない。にも関わらず虫たちの死をよく見ると思う。
今年もアブラゼミ、カマキリ、ヒグラシ、ベニシジミ、ナミアゲハなどの死を見た。
いつだったかもブログに書いたが、ハチの死を見ると決まって志賀直哉の「城の崎にて」に描かれているハチの死の情景を思い浮かべる。
整理の行き届かぬ書棚を探すまでもなく、今ではKindle等を使えば即座に読めるのだ。
「城の崎にて」を読み直してみよう。