落ち蝉(2)

夕方の散歩の折、道端に転がる落ち蝉を幾つか見た。

アブラゼミの初鳴きを耳にしたのは7月の23・24日頃だったと思う。
それから約一ヶ月、早くも、落ち蝉を幾つも見掛けるようになっているのだ。

落ち蝉を見ていると時の流れの早さを感じ、心落ち着かぬ寂しさを覚えていた。


時の流れはいつも同じなんだろうか。
年齢とともに遅速が生じるのだろうか。
老いのかたちによっても時の流れ方は違ってくるのだろうか。
様々なことを考えていた。

蝉の声を耳にしなくなるのはいつの日なんだろうか。