道端で落蝉を見かけることが多くなった。
今朝も家の近くで2個見かける。
私の中で落ち蝉は「老いのかたち」という言葉と結びついている。
先日も還来神社でアカトンボを撮るのに夢中になっていて、足元にあった落ち蝉を知らずに踏みつぶした。
ジャリッという音で足元を見ると粉々に潰れたアブラゼミがいた。
蝉は羽化してからの一週間ほどの命。
その短い期間蝉は鳴き尽くす故に、その骸は軽いのだと言われる。
しかも連日の猛暑で骸は一層乾ききっている。
その軽い骸を踏み潰してしまったのだ。
足元で形を留めているのは翅だけだった。
風が吹けば石畳の上で踏み潰された落ち蝉は、その痕跡を残さず消えてしまうだろう。
老いのかたちを考えさせられる。
石畳の上の落ち蝉に降る土砂降りの雨、そんな光景が撮れたら、こんなことも考えていた。